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2018/01/13

α7RIII [ILCE-7RM3] レビュー④ ピクチャープロファイル比較 と VEGAS PRO15でようやくLUT対応したので適用してみた



α7RⅢのピクチャープロファイルの比較用で撮影しておいたんだけど。。。
どんなけ寝かしたんだコレ・・・ 昨年12月頭にみなとみらいの
赤レンガ倉庫のクリスマスマーケットで撮影した素材。。
年末年始は仕事と撮影やらでもう超絶時間が無かったので・・・
なんだかんだで1ヶ月寝かせてしも~た・・・

ソニーストア

【使用機材】
カメラ    : SONY α7RⅢ (a7RIII)
レンズ   : FE 24-70mm F2.8 GM
三脚    : Manfrotto befree (アルミ)
映像ソフト:VEGAS PRO15

【動画データ】
オーディオ: 48,000 Hz, 16 ビット (MAC), ステレオ, PCM
ビデオ: 29.970 fps, 3840x2160 プログレッシブ, XAVC S long 4:2:0/8bit


この動画素材はピクチャープロファイルの比較用で作った動画
なんですが。。。 動画ネタって、何かいまいち引きが無いみたいね・・・
動画人口ってまだまだ少ないんですかね???

たぶん、とっつきにくいとかあるんでしょうね。
でも一度覚えてしまえば、ほとんど設定なんて
決まった設定値でしか撮らないんでね。

僕の場合、仕事で映像の配信関連の機器にさわることが
何年かあって、その延長でちょっとかじっただけなんですが・・・
機器の配信テストとかデモ対応とかで、ちろっと。
なんで動画に対して抗体が出来てたってのもあるんだけど。

ピクチャープロファイルって何?っていうのがそもそもあるはずなんで。
ちょっと、動画関連の話を少し詳し目に書いてみます。

SONYのαシリーズにはピクチャープロファイルというのが用意されています。
映像の特徴を決めるパラメーターを調整、変更するメニューで、
おおまかに以下の4分類から構成されているプロファイルです。

 - 基本的な階調や発色を選択する項目
 - 階調(明暗のトーン)を調整する項目
 - 発色を調整する項目
 - 輪郭を調整する項目

α7RⅢの場合、工場出荷時で以下のプロファイルが
あらかじめプリセットされています。

Youtube比較は、以下のプロファイルの青文字の項目を
で比較しています。
PP1[Movie]ガンマを用いた設定例
(ピクチャープロファイルを使用しないときの標準の動画の設定)
PP2[Still]ガンマを用いた設定例
(ピクチャープロファイルを使用しないときの標準の静止画の設定)
PP3[ITU709]ガンマを用いた、自然な色合いの設定例
PP4ITU709規格に忠実な色合いの設定例
PP5[Cine1]ガンマを用いた設定例
PP6[Cine2]ガンマを用いた設定例
PP7[S-Log2]ガンマで撮影するときの推奨設定。
[S-Log2]ガンマと[S-Gamut]カラーモードの組み合わせ。
PP8[S-Log3]ガンマと[S-Gamut3.Cine]で撮影するときの推奨設定。
[S-Log3]ガンマと[S-Gamut3.Cine]カラーモードの組み合わせ。
PP9[S-Log3]ガンマと[S-Gamut3]で撮影するときの推奨設定。
[S-Log3]ガンマと[S-Gamut3]カラーモードの組み合わせ。
PP10[HLG2]ガンマと[BT.2020]カラーモードで撮影するときの設定例

動画撮影時は、これらのプロファイルを駆使することで
映像の色や鮮明さを撮影時に調整することが出来るんですね。
α6300時代から、動画撮影時はプロファイルを活用していました。

んで、α6300もα7RⅢも4K撮影はいずれもXAVC Sって
コンポーネント方式で記録するのですが。 そこからですかね。

α7RⅢで4K撮影する際は、コンポーネント方式がXAVC S 4:2:0 8bit

 4KHD
IntraLongIntraLong
XAVC
(MXF)
300Mbps
4:2:2/10bit
100Mbps
4:2:0/8bit
100Mbps
4:2:2/10bit
50/35/25Mbps
4:2:2/10bit
XAVC S
(MP4)
100/60Mbps
4:2:0/8bit
50Mbps
4:2:0/8bit
上の黄色に色塗りしている部分がα7RⅢが対応している方式です。

そもそもXAVCっていうのは、SONYが2012年に4K収録を可能にした
シネマカメラPMW-F55と同時に世に出したフォーマットです。
XAVCをベースに、コンシューマ向けのフォーマットとしてXAVC Sが出て
α7RⅢもXAVC Sに対応しています。

一応、XAVCの定義上は4:4:4/12bit/960Mbpsまで定義されているのですが、
いまのところそれに対応している製品がなかった気がします。
CineAltaもXAVCは4:2:2までだったはず。。たぶん。

んで、PnasonicのGH5が4:2:2 10bitに対応してキレイだ~って
巷をにぎわせているのですが。 α7RⅢは4:2:0 8bitです。

んでそもそも4:2:2とか4:2:0って何?っていうのがある。
前にもちろっと書いたことがあるんですが。

RGBとかは聞いたことがあると思うんです。
色の三原色、赤(R)・緑(G)・青(B)で表現するもの。
んで、カラーテレビ放送開始当初はRGBで放送配信
していたらしいんですが。ブラウン管とかの時代ですかね。
んで、最近はYUV形式に移行してるんですね。

YUVってのが、Yが輝度(明るさ)、UVが色差(色合い)を表してます。
Uは赤色と輝度の差、Vは青色と輝度の差が用いられています。
いずれも色差をあらわしています。

んで、人間の視覚特性として輝度に対して一番感度が高いため
輝度が高いと高画質に感じてしまう特性があります。
逆に色の変化には意外と鈍感であるという特性もあります。

その視覚特性を利用して、YUVが4:4:4 -> 4(Y):4(U):4(V)なのを
人が敏感なYを4のままで、人が鈍感な色差のUVの情報量を
減らしたものが4:2:2とか4:2:0とか表現しているもので。

水平方向のUV情報を半分にしたものが4:2:2
さらに、水平・垂直方向の両方のUV情報を半分にしたものが
4:2:0になります。

なんでこんなことをするかというと、動画データの
ボリュームを少なくするためなんですね。
一般に販売しているテレビは4:2:0です。

HD放送開始時もそうだったんですが、動画のデータって
かなりボリューミーなんです。 それを電波に乗せたり、
ネットワークで配信したり、ケーブルテレビで配信したり
いずれもものすごい量のデータを送信しないといけない。

そこで、出来る限りデータを量を少なくするのに
4:2:0でデータを落としてデータ小さくしたり
H.264とかの動画圧縮でデータを可能な限り小さくして
配信機材の負担を軽減する工夫がされているんですね。

A
B










H.264っていうのは、上のような連続した映像(フレーム)がある場合
AからBにフレームが変わる際、赤丸で囲った
自動車とか歩行者の動く個所はデータが変化するのに対して
緑丸で囲んだ動かない部分はA = Bでデータが同じです。

赤丸部分のデータが変化した分のみデータを送信する方式が
H.264の圧縮方式になります。時間圧縮とかいったりします。
ライブ映像とか大勢の人が画面いっぱいざわざわしたような
映像とか、画面の明暗が早いタイミングきりかるような
映像の場合、配信側もしくは受信側で処理が追い付かずに
ノイズが出たりすることがたまにあるんですね。
画面内に小さなブロック状のものがチラチラしたりするんです。

それをブロック落ちとか言うのですが、配信経路上の
伝送路が混み合っていてもブロック落ちとが出ます。
最新機器の展示会準備のデモ映像でブロック落ちとか
出るとちょっとあせるんだよね・・・

逆に他社さんのデモを見学に行ってブロック落ちを見つけて
あ~!!( *´艸`)って、ガヤすると、説明担当者があたふたするって
いう悪い遊びを・・・ スループット出てないんじゃないの??
ガヤガヤ。。。 っていうのはやめましょうね。

4K/8Kのデータ量えげつないですからね・・・
テレビ局、通信キャリアーは投資が大変でしょうね・・・
昨今、投資した分の回収が難しいですからね・・・
総務省が決めたことなので渋々って雰囲気です。

んで、話を戻して。 α7RⅢで4K動画を撮影する際は
4:2:0で圧縮処理されているので、撮影済みの映像素材に対して、
シャープネスやガンマカーブの補正などのビデオエフェクトを
適用する場合、劣化した映像に対して加工処理を施すことになり、
さらに状態が悪くなるので、ノイズが出たりするんですね。

んでピクチャープロファイルの出番なんですが。
ピクチャープロファイルを使って、撮影時に
にカラーだったり、高輝度な部分や暗い部分も階調を
ととのえて撮影することで、被写体の質感を保ったまま、
精度の高い映像調整が出来るって感じです。

写真でいうところの圧縮しまくったJPEGを編集すると
ざらざらで汚くなるのと同じで、XAVC Sの圧縮データを
あまり過度に編集でこねくり回すと汚い映像になるんで。

なるべく撮影時に絵を決めてしまおうっていうのが
ピクチャープロファイルです。

ピクチャープロファイルの中の設定値ですが。
カンマカーブは以下から選択可能で、※印をつけたHLGって項目が、
今回α7RⅢから新たに搭載されたガンマで、
HDR映像の制作を可能するガンマでHybrid Log-Gammaっていいます。

ガンマ(Gamma)
Movie動画用の標準ガンマカーブ。
Still静止画用の標準ガンマカーブ。
Cine1暗部のコントラストをなだらかにし、かつ明部の階調変化をはっきりさせて、落ち着いた調子の映像にする(HG4609G33相当)。
反射率18%のグレーをビデオ出力33%になるように露出を合わせた場合に、460%のダイナミックレンジが得られるガンマカーブ。最大ビデオ出力は109%となる。
グレーディングなしでも使用可能だが、なめらかな階調特性を持っているため、撮影後のグレーディングで画作りを完成させることもできる。
Cine2[Cine1]とほぼ同様の効果が得られるが、編集などでビデオ信号100%以内で扱いたいときに選択(HG4600G30相当)。反射率18%のグレーをビデオ出力30%になるように露出を合わせた場合に、460%のダイナミックレンジが得られるガンマカーブ。最大ビデオ出力は100%となる。
Cine3[Cine1] より明部と暗部のコントラストを強め、さらに黒側の階調変化をはっきりさせる。
Cine4[Cine3]よりさらに暗部のコントラストを強める。
ITU709ITU709相当のガンマカーブ(低輝度部ゲイン4.5)。
ITU709 (800%)[S-Log2]または[S-Log3]撮影前提のシーン確認用ガンマカーブ。
S-Log2S-Log2のガンマカーブ。撮影後のグレーディングを前提とした設定。
露出基準は、反射率18%グレーのビデオ出力が32%になる状態。この状態で反射率90%のホワイトに対して1300%のダイナミックレンジが得られる。ビデオ出力レベルは最大106%になります。
S-Log3S-Log3のガンマカーブ。撮影後のグレーディングを前提とした、よりフィルムに似た特性のガンマカーブ。
S-Log2よりも低輝度側の階調を重視している。露出基準は、反射率18%グレーのビデオ出力が41%になる状態。 この状態で反射率90%のホワイトに対して1300%のダイナミックレンジが得られる。
S-Log3の特性としては1300%以上のレベルも定義されていますが、ピクチャープロファイルでは、性能とのバランスからダイナミックレンジ1300%となるように設定されます。この場合、ビデオ出力レベルは最大94%になります。
HLG ※HDR撮影用のガンマカーブ。 HDRの規格であるITU-R BT.2100のHybrid Log-Gamma相当の特性。
HLG1 HDR撮影用のガンマカーブ。 [HLG2]よりもノイズを抑えたい場合の設定。ただし、撮影できるダイナミックレンジは狭くなる。ビデオ出力レベルは最大87%になる。
HLG2 HDR撮影用のガンマカーブ。 ダイナミックレンジとノイズのバランスを考慮した設定。 ビデオ出力レベルは最大95%になる。
HLG3 HDR撮影用のガンマカーブ。 [HLG2]よりも広いダイナミックレンジで撮影したい場合の設定。ただし、ノイズレベルはあがる。ダイナミックレンジはHLGと同じ。ビデオ出力レベルは最大100%になる。

んでHDRはもう国際規格化されていて。
日本のNHKとUKのBBCで共同で提案したのが
HLGで、既存のテレビとの互換性のあるガンマカーブ
になっていて、α7RⅢでサポートしているのもこのHLG方式
になっています。 んで、カラーモードは現行テレビで
表示可能なBT.709と4K/8Kテレビ用のBT.2020が
α7RⅢでは選択可能になっています。

BT.2020で色域が広がるので、より立体感ある
映像が撮れるようになっています。

ここまでくるとちょっともうあれなんで。
NHKの技研の資料を参照してください。
>>> NHK 技研R&D 2017/3 はこちら ※pdfが開きます。


次に以下のカラーモードがあります。

カラーモード
Movieガンマが[Movie]のときに適した色合い (ピクチャープロファイルを使用しないときの、動画用の標準の色再現)。
Stillガンマが[Still]のときに適した色合い (ピクチャープロファイルを使用しないときの、静止画用の標準の色再現)。
Cinemaガンマが[Cine1]、[Cine2]のときに適した色合い。
Proソニー放送用カメラの標準画質に近い色合い([ガンマ]の[ITU709]と組み合わせた場合)。
ITU709マトリックスITU709相当の色合い([ガンマ]の[ITU709]と組み合わせた場合)。
白黒彩度を0にし、白黒で撮影する。
S-Gamut[ガンマ]が[S-Log2]のときに使用する、撮影後のグレーディングを前提とした設定。
S-Gamut3.Cine[ガンマ]が[S-Log3]のときに使用する、撮影後のグレーディングを前提とした設定。
[S-Gamut3]よりも実用的な範囲に色域を抑え、使いやすさを重視した設定です。広色域な[S-Gamut3]が必要でない場合にはこの設定をおすすめします。
S-Gamut3[ガンマ]が[S-Log3]のときに使用する、撮影後のグレーディングを前提とした設定。
[S-Gamut3.Cine]よりも広色域な設定です。BT.2020などの広色域なフォーマットに変換する場合に適しています。お使いのカメラによっては、[S-Gamut3]で表現できる全色域を表現できないことがあります。
BT.2020HDR撮影用のカラーモード。 [ガンマ]で[HLG][HLG1][HLG2][HLG3]を選択したときの標準的な色合い。 HDRの規格であるITU-R BT.2100相当の色域仕様。上記ガンマカーブを選択したときのみ選択可能。[BT.2020]選択時、カメラの仕様によって、カラーバーは正しく出力されない場合があります。
709HDR撮影用のカラーモード。 [ガンマ]で[HLG][HLG1][HLG2][HLG3]を選択して、HDTV形式(BT.709)の色で記録する場合の色合い。上記ガンマカーブを選択したときのみ選択可能。

α6300で動画撮影していた時は、VEGAS PROがLUT非対応
だったというのもあるんですが、ガンマはCine2しか使って
いなかったんですが。 α7RⅢを使い始めて1ヶ月ほど経ちましたが
HLG2、BT.2020の組み合わせを多用しています。

youtubeの動画でもわかるかと思うんですが。
画面端の赤レンガ倉庫辺りが暗くしずんでいるのが
HLG2だと階調が豊かになっているのがわかると思います。

それで、VEGAS PRO15でようやくLUTに対応したんです。
VEGAS Proシリーズは、ソースネクストで

S-LOG3を初めて試してみたんですが。
これがVEGAS PRO15の編集画面です。
動画のトラックで、「イベントFX」を選択すると














VEGAS LUT フィルターていうのが今回のVersionから
選択できるようになっているので、それを選択して。














LUT適用のウィンドウが開くので
あらかじめダウンロードしておいたLUTファイルを適用します。














S-log用のLUTファイルは以下からダウンロードできます。
  • S-Gamat/S-Log2
  • S-Gamat 3.Cine/S-Log3



  • S-log3用のLUTファイルを選択します。
















    LUTを適用した後に、カラーグレーディングの強度を
    調整して色味を調整します。














    LUTファイルは4種類あって、このファイルを当てた時が
    一番色味が好みの発色になったので、比較ファイルは
    このLUTで作成しています。

    SLog3SGamut3.CineToLC-709.cube

    でS-logを初めて使ってみましたが。
    結論としては、HLGの方が良いかな~って。
    編集時にLUT充てるとかカラーグレーディングの
    作業も少なくすみますしね~

    あと、動画のHLG個所がちょっと赤味が強い目
    だったんですが。 工場出荷時に「色の深さ」の
    設定項目でRedだけ +9になっていました。

    なので、色の深さを調整すれば、もっと見た目の
    色味になるので、そこは調整できるので安心
    して使えますよ。

    なんか、長くなってしまいましたが。
    何人の方が最後まで読んでいただけるか・・・

    長文を読んでいただきありがとうございます。

    前回までのレビュー記事はこちら。
    >>>α7RⅢ レビュー① ピクセルシフトマルチ撮影編はこちら
    >>>α7RⅢ レビュー② ISO感度テスト編はコチラ
    >>>α7RⅢ レビュー③ 動画テスト 高感度ISO編はこちら

    ではではまた

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